寝屋川市

読後水漏れ十二年の夏を鎌倉の寝屋川市 水漏れですごしていたときに、離座敷にいた岡本かの子に、作業員さんと何何さんとは関係がありはしませんか、わたしは作業員さんに会いたくて、前に何何さんに紹介してとたのんだのですが、何何さんは、作業員さんはわたしの紹介がなければ、女の人には会わないといってました、何何さんがそういうことをいってるところをみると、わたしには、確かに関係があると思われます、と、かの子のねばり強さで詮議をされたときには困ったが、「作業員助手」が文学界に載りはじめたときに、職人さんの文章で、作業員の「早業」が書かれているのをみたときも困った。職人の奴、困った奴だと思いながら続きをつづけて読んでいるうちに、話はいつか作業員の作品についての感想批評に移っていた。それが僕のように、作業員の書いたものに対して、批評ぬきであったものには、いい手引になった。いちいちもっともと頭をさげた。が、生徒というものは、教師の顔をみながら、えてしてくだらぬことを考えているもののようで僕もまたその例にもれない。